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Che Amor ! [フォトエッセイ]

ゲバラ4.jpg

『1960年頃、世界中で一番かっこいい男がチェ・ゲバラだった』
(ジョン・レノン)

『チェ・ゲバラは20世紀で最も完璧な人間だ』
(ジャン=ポール・サルトル)

チェ・ゲバラーー彼がどういうことをした人物か知らなくても、その写真やイラストに見覚えのある人は多いと思う。

チェ・ゲバラは、アルゼンチン生まれの革命家で、ゲリラ指導者。
南米諸国に植民地時代から続く構造化された収奪や腐敗した独裁政権によって荒廃した社会の改革、さらには、北米帝国主義からの経済的独立のために戦い、1959年のキューバ革命成立の立役者となった人物だ。
(チェ・ゲバラというのは愛称。「チェ」は、アルゼンチンで「やぁ!」というような意味で使われるカジュアルな言葉。ゲバラは初対面の相手にしばしば「やぁ!エルネスト・ゲバラだ」と挨拶していたことから、こう呼ばれるようになったそうだ。本名は、エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ)

ゲリラとなって戦ったことに対しては、賛否両論あると思う。
事実、70年代以降、彼はテロリストたちのアイドルになってしまったため、長らく危険な人物というイメージで語られていた。
しかしながら、自分のしたことがテロリストたちの都合のいいように解釈され、世界各地で引き起こされたテロ行為は、彼の意に反するものであったと私は思う。
また、共産主義の体現者として語られることもちょっと違うと思う。
確かに彼のスポンサーは、共産党だった。しかし、キューバ革命成立後、ボリビアでの戦いで劣勢を極め、共産党からの支援を打ち切られても、彼は自分の信念を曲げることなく戦い続け、そして捕えられて、処刑された。

煙草3.jpg


2009年に公開された映画『チェ/39歳 別れの手紙』(スティーブン・ソダーバーグ監督作品)について、映画評論家の森山京子さんは次のように語っている

====================
非常に興味深いのは、ゲバラがキューバの時とまったく同じ行動を取っていること。ゲリラ兵を訓練し、農民に敬意を払って信頼を得、彼らを味方に引き入れようとする。
だがキューバでは成功したことがボリビアではことごとく失敗する。
共産党の支援も打ち切られ、キューバの二の舞は踏むまいとするボリビア政府と アメリカCIAの攻撃も激化する。
「敵も現地の情勢も変化してるんだから、もっとリサーチしてから戦わなきゃダメだよ」と叫びたくなった。でもゲバラは信念を変えない。作戦変更も撤退もせず、少なくなった兵を抱え込んで最後まで戦い抜こうとする。
そんな彼を見ていて思うのは、彼は戦略家ではなかったということ。戦闘に勝つために戦略を練るのではなく、国民1人1人が革命の意義に目覚めること、その上で戦いに参加することを願う真の革命家だったのだ。それは とりもなおさず、個々の人間を、人間の可能性を信じるということだ。

ゲバラは「愛のない革命家なんて考えられない」と書き残している。敗れていく辛い戦いの中で、そんな彼の本質を浮き彫りにしたソダーバーグの奮闘に敬意を表したい。
====================

処刑後、彼の遺体は世界中の左翼勢力に対する見せしめとして公開されたが、政府はその遺体が革命軍に奪われることを恐れ、埋葬場所を公表しなかった。

1997年、実に30年の時を経て、キューバとアルゼンチンの合同調査隊によって彼の遺体が発見されたとき、かつての同志や友たちは、「チェ・ゲバラという人間の、最も優れた資質は何だったと思いますか?」という質問に対して、

ゲバラ看板.jpg

人間を愛する才能です


と、口を揃えて答えたそうだ。

ちなみに、ゲバラの趣味は写真。Nikon S2というカメラを愛用していたそうだ。


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コメント 26

zak

人間を愛する才能が
もっともすぐれた資質・・・。
もう少し掘り下げて彼を追いたくなりました。
by zak (2010-10-31 00:34) 

me-co

1年前にウィキペディアで来歴見て・・・悶絶しました(--)
美しき革命家・・・映画見たかったです(DVDだと見る気しないのです。)
by me-co (2010-10-31 02:02) 

munesue

映画、去年前・後編とも観ましたが、上手く表現されていたと思います^^
ただ、チェ・ゲバラが何者なのか?はある程度予備知識が必要ですが、
興味のある方には観て欲しいなぁと思う映画でしたね!
by munesue (2010-10-31 02:33) 

jack

人間が自分たちの社会を作って行く時に何を一番大切にするか と言うことですね。自分だけが豊かな日々の生活を送れるような社会なのか 多くの人々がともに平等に幸せを享受できることを目指すのか と言うことに尽きる。
物事は 表と裏 長所と短所 相反するものです。
私は進んだ科学(科学宗教)は嫌いです。
いつまでも きれいな地球でいて欲しい。
by jack (2010-10-31 06:24) 

toshi

cjlewisさん
おはようございまーす^^
信念を持つ人間は奥深いな~
人間を愛するという事は革命だけでなく
何事にも通じる一番大事な事だと思うのですが
今の世の中は愛が足りません
革命は閉ざされたままなんでしょうか・・・

映画見たくなりましたよ♪
by toshi (2010-10-31 07:33) 

★まっと★

うん、彼に関しては非常に興味を持っていたので、色々と学んじゃいました。でも、知らなくても通り過ぎられる人物の一人・・ただ、やはり彼がすごかった・・って思える部分、、、心の中に宿っています。
munesueさんも仰っていますが、予備知識を持った上で映画を鑑賞されることをお薦めしますね。
何も知らないと。。。。ちょいときついかも・・・
by ★まっと★ (2010-10-31 07:35) 

末尾ルコ(アルベール)

「ゲバラ日記」「ゲリラ戦争」、その他キューバ革命関連の書籍、一時期集中的に読みました。
ソダーバーグの映画、やはり第2部でゲバラが拉致されるシーンは感無量でしたね。
右左という思想的問題はさておき、キューバ革命は現代史の神話的エピソードですね。

                           RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2010-10-31 07:38) 

katakiyo

人間を愛すること、写真の原点ですね、近頃感じます。
by katakiyo (2010-10-31 13:26) 

b.b.mk2

エルネスト・・・いいですよね
2009年の映画は一部二部共見ました
チェ・ゲバラ伝も持ってます
「人間を愛する才能」正にこれだし、これに尽きると思います
右左はともかく、この才能にはひかれますよね
僕が印象に残ってるのは、農民を「自分は生産者を尊敬している、だから略奪はしない」と言ってたところかな
by b.b.mk2 (2010-10-31 13:32) 

hatumi30331

興味深い人ですよね。
私も映画で、観ました。
映画は、事実を元にした、フィクションですから・・・何とも言えませんが・・・かなり興味をひいたことは間違いないです。 ただ、革命と言う名の下に、多くの犠牲が伴った事実も忘れてはいけないでしょうね。
でも世の中を変えるためには、犠牲がつきもの・・・と、革命家は言うんですよね。 さて、自分なら・・
欲張りですから、変えたい時、犠牲者も出したくない!です。  悩む・・・・・。
by hatumi30331 (2010-10-31 13:51) 

海を渡る

nice! ご訪問ありがとうございます。
いつも考えさせられる写真と文章ですね。
いつも見ています。
これからもよろしくお願いします。
by 海を渡る (2010-10-31 14:23) 

ぴーすけ君

(* ̄▽ ̄)ノ☆ハッピーハロウィン☆
by ぴーすけ君 (2010-10-31 14:54) 

プラスチックボーイ

こんにちは。
興味深い人物ですね。もう少し深く知りたくなりました。
cjlewisさんって、グリッドの整った
まとまり感のある文章を書かれますよね。
感心しながら読ませていただきました(^-^)
by プラスチックボーイ (2010-10-31 16:32) 

カエル

信念を貫く事は端から見ると大変そうですが、至ってシンプルなことですよね。弱いものを助けよう。彼の信念は、それだけですからね。
by カエル (2010-10-31 17:07) 

レイリー

チェ・ゲバラ、素晴らしい方のようですね!
最近になって興味を持ち文献などを読んだところです。
どうあれ、信念を貫く事はたやすくないですね。
キューバには行ってみたいです。
by レイリー (2010-10-31 17:34) 

kiyotime

浜松のとあるビルの壁画に、ゲバラと
マラドーナが描かれていました。
お馴染みの肖像ですね!
by kiyotime (2010-10-31 20:15) 

MIKE

ありがとうございます! 彼に対する印象
が激・変わりしました!
by MIKE (2010-10-31 20:38) 

ちょっとピンぼけ

この映画を見るまでは、一部の人のアイドル(偶像)としての存在
としか認知していなかったのですが、少しだけ認識が変わった
気がしましたよ。映画の中に真実が描かれていたのかは正直わか
らないですけどね。
by ちょっとピンぼけ (2010-10-31 20:57) 

pandan

チェ・ゲバラって映画になったのですよね、
見てみたいです。
by pandan (2010-11-01 07:22) 

未来

ぼくは共感するところはあっても、
ジョン・レノンのように、
チェ・ゲバラが世界で一番かっこいい男だとは思わなかった。
by 未来 (2010-11-01 11:36) 

come

いいblogですね
読んでしまいました
ありがとう
by come (2010-11-01 18:03) 

nyankome

少し彼のことが分かったような木がします。
by nyankome (2010-11-01 23:06) 

movielover

人間を愛するのは、やはり才能だと思います。
そして、知れば知るほど、彼のことをもっと知りたくなる。

ゲバラはそんな人ですよね。きっと。

ソダーバーグの作品は残念ながら未見ですが、
モーターサイクルダイアリーズは若かりし頃の彼の姿が描かれていて、面白かったです。

by movielover (2010-11-01 23:15) 

GRACE

いつもホントに勉強になります。
最後のエピソード、本当に心を打つ内容ですね。
伝え聞きではわからない何かがそこにはあるのかなぁと思いました。
by GRACE (2010-11-02 08:31) 

Venceremos

ゲバラは優れた知識人であった。
そればかりでなく
l'être humain le plus complet de notre époque
我々の時代ででもっとも完璧な人間だった
とはサルトルの最大の褒め言葉ですね。ゲバラ自身もまた、革命前からサルトルの本に読みふけってました。あとフランス語も話せるんですよね

あと、ソダーバーグの映画の中のゲバラの名言と似たようなことを、キューバにおける社会主義というゲバラの論文でも確認できます

Déjeme decirle, a riesgo de parecer ridículo,
ばかげたことに思われるかもしれないが、言わせてもらいたい
que el revolucionario verdadero está guiado por grandes sentimientos de amor.
真の革命家とは、大いなる愛情に導かれているものだ。
Es imposible pensar en un revolucionario auténtico sin esta cualidad.
この資質のない、愛のない真の革命家なんて考えられない。

先月の末にはスペインでゲバラの最新映画が公開されたようですね。ブログでも紹介したので興味があれば参考にしてください
http://hastasiempre.blog104.fc2.com/blog-entry-54.html
by Venceremos (2010-11-03 17:41) 

マキ

日本では、ファッション的に扱われる事の多いヒトですが、もっとずっとちゃんと、知られるべきヒトですよね。
by マキ (2010-11-05 10:28) 

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